魚屋の喰い処まつ田【公式】

越前海岸にある日本海が一望できる越前がにと地魚専門の海鮮レストランです。地元の越前で捕れた魚にこだわり抜いた魚屋直営のレストランです。ご当地でしか味わえない、四季折々の本物の鮮度と味覚をご堪能ください。

大将まつたく日記

2024-07-01 17:31:00

鮮魚へのこだわり

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大学を卒業してからすぐにこの職に就いた。

その頃はまだまだ魚種や魚の特性などわからずにただただ言われるままに魚をさばくことだけをやっていた。

そのうち刺身を引かせてもらえるようになり、お客様からおいしいという言葉をいただけるようになった。

これはお金ではない一番のご褒美だったしモチベーションだった。

やりがいを感じた。

と同時にクレームも直接受ける立場になった。

つらいこともたくさんあった。

頭を下げることよりもお客様の期待を裏切ってしまった自分への情けない気持ちで落ち込んだ。

今、その頃の自分に言えることは落ち込むなら始めから120点を取るつもりでやれ!ということだ。

慣れた頃だったのでなめていた部分もあった。

お客様の舌は敏感だ。

特に刺身というものは切り方ひとつ、もっと前の魚の締め方ひとつでおいしさが変わる。

別物になるといっても過言ではない。

ダイレクトに素材の味が舌に伝わるからだ。

それからというもの朝2時3時起きで港に向かい、魚を選ぶところから見直した。

帰ってから夕方17時までぶっ通しで仕事をする。

通常ならブラック企業と言われる。

しかしそれも自分の中で了承してやっている仕事。

おかげで魚の何たるか、魚ごとの自分なりの処理の仕方、様々なデータが手に入った。

言葉に厚みが増したと思う。

数、量をこなさなければこのスキルは得られない。

昨今簡単にまねはできる。

たくさんの商売が立ち上がるがほとんどが失敗する。

付け焼刃ではお客様の本能にぶっ刺さる体験を提供することができない。

結局のところ本物しか残れない。

自分たちは多くの失敗を重ねいろんな困難を乗り越えてきた。

失敗の改善に裏打ちされたデータがある。

そんな本物を売る店でありたい。

料金以上の価値を提供できるように明日も早起きする。

目標を持てない若者が多い中のめりこむことができるものがあったのは幸せなことだ。

明日もお越しいただくお客様一人一人に喜んでいただくことだけを考えて仕入れから120点を狙いにいく。