大将まつたく日記
怒涛の
蟹シーズンに突入すると土日のご予約数が半端なくなる。
なるべくたくさんの人に食べていただきたい気持ちが強いのでなるべく多くのご予約をこなせるように9月ごろから趣味レーションしてきた。
しかしながら「事件は現場で起きている」だ。
始まってみると些細なことからミスが起きる。
忙しくなると凡ミスも発生するものだ。
ただここで重要なのはミスを責めることではなくなぜこのようなミスが起きたかを検証して次に起きない対策を一つ一つ作っていくことだ。
伝票によって配膳したかしてないかを一目瞭然にするように病院にあるカルテ入れのような仕組みを導入したりできることはたくさんある。
システムというのはデジタルだけのことではない。
アナログも含め効率用お客様にサービスが行き届くようにシステムを構築する必要がある。
来週はまた山場がやってくる。
みんなで心ひとつにして乗り越えていきたい。
毎年のお客様
当店は季節もののメニューが多く、1年に一度それを食べにくるお客様も多い。
その1年に1度という約束めいた、黙っていてもまた来たよという瞬間がいつもうれしい瞬間だ。
大切な人の記念の日や感謝の気持ちを伝えるために当店を利用していただくこともある。
そんなお客様の期待に応えるよりも超えていきたいといつも思う。
しかしながら昨今の人手不足と繁忙期の集中化によって挨拶もままならず帰してしまうお客様もいたりする。
非常に心苦しいところである。。
こんな経験を少しでも解決していけるように何度もオペレーションの確認やデモンストレーションを繰り返している。
もっとこうしたほうがいいのでは?
などスタッフのさんの方からたくさん意見が出るようになってきた。
人が減った分みんなが効率を真剣に考えるようになったし細かいところを見直す機会が増えた気がする。
ピンチはチャンスだありがとう。
乗り越えられるものにしか壁は現れない。
今年の冬も乗り越えてゆく。
新幹線開業後
令和6年3月16日に東京から福井県の敦賀まで延伸した北陸新幹線。
開業までの数年間駅前の再開発だのPRだのとかなり莫大な資金を投入して各所整備されてきた。
福井駅前はマリオットホテルがコートヤードブランドで開業し、横町のようなスペースもできた。
多少の賑わいができたようだが、地元の人で賑わっている感じだ。
外からのお客様が大挙として福井に訪れる画を描いていたと思う。
予想ではかなりの経済効果が見込まれていたがふたを開けると、コロナ前の2019年の数値に満たないらしい。
これは衝撃的だった。
この数年何をしてきたのか?と疑問に思う。
交通手段が便利になったとはいえ目的のないところには人は来ない。
目的があればどんな手段を使ってでも来る。
この事象が如実に証明したのだと思った。
コロナ前の2019年と比べると宿泊者数は-25.8%・・・衝撃しかない。
これだけお金をかけても結果が出ないことがあるんだなと怖くなった。
民間だったらこんなことしていたら会社などとっくに潰れている。
気を引き締めないと煽りを受けることになるので、自分たちの生き残る道を亀のように進むだけだ。
おかげさまで当店はたくさんの季節ごとにお客様にお越しいただいている。
当店には目的がある。
おいしい海鮮料理は当たり前。
それにプラスして大切にしているのは接客でお客様と話して少しでもいい思い出で帰っていただくことだ。
福井駅から車で40~50分もかかる不便な立地なのにわざわざ県外からまでも、最近では海外からもお越しいただける。
感謝しかない。
自分で心に決めているのはどんな状況でも最高においしいと思える魚介類をお客様に提供することを生業とすることだ。
ビジネスではない。生業だ。
だから朝2時に港に出向くことも苦ではない。
生きざまに共感してくれるお客様が来ていただければいい。
そこに最善を尽くすのみである。
立地のいいところに踊らされるように出店するようなことはしない。
地に足を付けて昨日の自分を少しでも超えれるように進むだけだ。
私は亀とウサギの話が好きだ。
ウサギは亀と勝負したから余裕を感じてさぼったんだと思う。
亀は自分を少しでも超えようと歩を進めていたら結果勝っていたということだ。
すぐに結果だけを求めて2段飛ばしではいつかつまずくし自分が歩みを進めた過程の風景が過ぎ去ってしまう。
1歩1歩の思い出が詰め込まれるくらいゆっくりでもいい、人と比較することなく毎日の最高新記録を狙っていきたい。
明日も早起き頑張ろう。
夏休み
夏休みというとウキウキする気持ちに始まり、終盤に差し掛かるにつれて宿題が終わらない焦りと闘う少年のころの気持ちをいつも思い出す。
こんな辺鄙な田舎の村にもたくさんの海水浴客が押し寄せ賑やかになったものだ。
ローカルの特権で生き生きと海で泳いだ記憶が今でも蘇る。
砂の焼けたにおいとイカを焼く香ばしい匂い。
浜茶屋では小学生には高いので家に帰って昼ごはん。
テレビでは高校野球中継が常に流れていた。
一家で忙しい日々を過ごしている中、良くも悪くもほっとかれて育ったため毎日海にいた気がする。
そんなお客様には非日常が日常で感動するポイントが違っていた。
当たり前に見ていた夕陽もたまに来る人には感動の思い出だっただろう。
大人になり行動範囲が広がって旅行などできるようになって当り前じゃないことに気づかされた。
毎日が豊かな生活にあふれていたんだなと感じる。
自然は今も変わらず豊かだ。
われわれ人間が変わってゆくだけだ。
今年の夏休みは、大阪から住み込みのアルバイトが来る。
どんな出会いや思い出ができるか楽しみだ。
さあ、夏のはじまりはじまり・・・
一魚一会の精神
当店では開店当初からテーマを「一魚一会」としている。
一期一会を独自に改造した造語だ。
魚を通じて出逢う人さまとのご縁や海の恵みに感謝して精一杯のサービスを展開することを信念に置いている。
まだまだ未熟なところばかりで達成されたものは何もないが一日一日の営業ではそのことを意識しながら営んでいる。
毎日、日付が変わるころに出港して危険な仕事にもかかわらず新鮮な魚を水揚げしてくれる漁師さんが居て自分たちの商いは成り立っている。
そして一緒に働いてくれるスタッフのみんなや家族の支えの中で店が成り立っている。
いつも来店して支えていただいているお客様あってこそ自分たちの生活も成り立っている。
全ては魚を提供することでつながっているご縁があればこそである。
この気持ちを忘れずに今後もこの地で店を切り盛りしていく。
過疎化が激しく進み経営面や雇い入れの部分でもかなりきつい点はあるがこの地に根差して商いを続けていくことで地元に恩返しがしたいと考えている。
多店舗展開は今のところ考えていない。
この地でこの地域のものをお客様に知ってもらい足を運んでいただく。
来れないお客様にはお届けすることで越前海岸を感じていただけるような商品展開を心がけてこの地域のアンテナとなりご縁をいただきながら進化出来たらいいなと思っている。
もうすぐ夏休み。
沢山のご来店をお待ちしております。